2011年4月13日水曜日

町の記憶

町歩きで目にする古い看板や屋号…見るともなく私たちの視界に入り、記憶の中に沈んでいる。私たちはみんな現在を生きているが、過去の記憶に支えられてもいる。今、被災した人たちはその大事な町の記憶、家族の記憶を失い、新しい地平も見えずに立ち尽くしているのではないだろうか。伊勢の遷宮ではないが、新しい器には新しい魂が入るという思想がこの国にはある。新しく蘇る町、地域がそういう力を持ってほしいと願う。
しかし、福島では人間の手で再生することのできない破壊が進行している。

昨日、鵠沼でギャラリーをやっている知り合いから電話があった。陶芸の里・益子も大変な被害で、窯が壊れたり、アトリエが壊れたりしたという。陶芸家からのSOSを伝えてくれた。報道されない多くの痛手を受けた人がたくさんいる。相談して、5月に鵠沼で、6月過ぎに長野、金沢で支援の展覧会をしたいと思う。
これから東北の染織や、木工、陶芸の作り手の様子も調べてみたいと思っている。